テレンス・ボイランというと、スティーリー・ダンの2人とカレッジ時代にバンドを組んでいたということで、その周辺では人気のシンガー・ソングライター。ダンに先立つこと69年に「エイリアス・ブーナ」というソロアルバムもありますが、何とも中途半端で煮え切らないフォーク・ロックではありました(それはそれで面白かったけど)


丁度「彩(エイジャ)」と同年に発表されたこの2ndでは、ジャクソン・ブラウン風のシンプルなメロディーとAORにシフトチェンジした演奏で、非常に洗練されたサウンドになってます。日本でも当時「リリシズム」なんていう邦題で発表されてました。実に落ち着いた大人の一枚。


ドナルド・フェイゲンはもちろん、イーグルスの連中、アル・クーパーなど、当時のトップ・ミュージシャンが参加してます。スティーブ・ルカサーの初レコーディング作品でもあるとか。目くるめく転調コードと、トロピカルなムードがたまらない「Rain King」は、ジメジメした梅雨のイヤな季節をやり過ごすには、絶好の名曲。