ヴェルヴェット・アンダーグラウンドジョン・ケイルと、ミニマル・ミュージックで有名な現代音楽家、テリー・ライリーの共演盤。どんなアヴァンギャルドな音が流れてくるかと思いきや、驚くほど穏やかで、じんわりと体に効いてくるようなロック。ボーとぬるま湯にでもつかっているような心地好さ。


1曲目は、1コードのジャズ・ロック・インスト。オルガンの音からソフトマシーンやピンク・フロイドも連想させますが、もっといかがわしい感じ。サイケの名残も。ピアノとサックスによる2曲目のインストの美しさは、ロバート・ワイアット的。リズムが入った4曲目もワイアット風。共に、今聴いても、驚くほど現代的。


素朴なボーカルとマイナー・コードのメロディによる唯一の歌もの「The Soul Of Patrick Lee」がベストですが、これはケイルのソロ作品っぽい。ラストは一番ヴェルヴェッツ風で、イントロから盛り上がるぞー、と思った瞬間、テープ編集にミスのようにグニャっと音が途切れて突然終わり。この辺のユーモアセンスも好きです。