映画「ガラスの飼育」の主題歌で有名なジャネット(Jeanette)が11歳の頃に在籍していたスペインのポップ・グループ、ピクニックの唯一のアルバム。これ、CD化されているのかどうか知りませんが、ひさびさにアナログ盤を取り出して聴いたら、最初に聴いたときより、ハマってしまいましたよ。


これって昔、ソフト・ロック的な音を期待して買ったんですよ。でも、実際聴いてみたら、随分と古臭いローカルな音だったんで拍子抜けした記憶が。曲も普通っぽいし。ところが、最近聴き直したら、古臭い楽器の音色やアレンジが、今の時代に再現不可能なドリーミーさを演出していて、本当に素晴らしいではないですか。


ボーカルのジャネットちゃんは、いわゆるカマトト声といいますか、典型的ロリータ・ヴォイスなんですが、変に甘すぎず淡々としている感じが実にいいんですね。スペイン語の響きもいい。ゴリゴリの60'sサイケの後に広がる桃源郷ポップスとでもいいますか。素朴な歌心が全編胸を打つ、本当に捨て曲なしの愛聴盤になりました。