ある年代以上のファンには「スターズ・オン・45」というメドレー・レコードが、一時期大流行だったことをご存知だと思いますが、そのビートルズ版でポールのパートを歌っていたのが、このプレジデントのピム・コープマンという人。オランダの有名なプログレバンド、カヤックでドラムを叩いていた人でもあります。


これは、プログレでもビートルズでもなく、純然たる産業AOR。産業とかいってもジャーニーとかナイト・レンジャーとか、そういうクサいものではありませんのでご安心を。時代的に83年なものでデジタルな感じもあるけど、1曲目の「ホット・ブラッド・サマー」など、逆にそのデジタルな8ビートが心地いい。


インパクトがあるのかないのかよくわからないエビジャケも、中身の音楽が好きになると、なんだかサウンドに合ってるような・・・。哀愁のボーカルと練りこまれたアレンジはもちろん、曲がいいので最後まで一気に聴ける。確かにAORの域を出るものではないけど、AORって「域」が出ないからこそ素敵なのかも。