ギターはノイジーに歪みまくっているけど、その弾き方は、まるで初めて一つのコードを憶えて得意げになってる子供のようにジャカジャカとストロークするだけ。ベースは、リズムを支えようという概念がまるでなく、憶えていないその曲のベースラインを必死に考えて試し弾きしているよう。


ドラムは、まるで椅子や机や段ボールを叩いているような野蛮な音で、8ビートをバタバタと繰り返すだけ。オルガンはギター以上に終始ビリビリと感電しているようで、ボーカル以上に目立つ場面も。で、歌は、語りたいことが多すぎるのか、ほとんどメロディらしいメロディもなく・・・。


そんな個性溢れる演奏者のすべてのパーツが、グツグツと煮えたぎったスープの中で、ほとんど形もなく沸騰しているようなアルバム。聴き手のロック的感性を試すリトマス試験紙・・・というより、踏み絵に近い絶対的名盤。黒いジャケに黒いサングラス。サイケ期とは思えない冷酷な佇まいに痺れっぱなし。