60年代から70年代にかけて世界中に存在した「ジェームス・ブラウンっぽい音楽」というのは、それこそ天文学的数字になることはまちがいなしです。そう考えるとJBが当時のポピュラー音楽界に与えた影響力は、ビートルズに匹敵するか、それ以上の存在かもしれません。


そのほとんどはローカル・サーキットでの活動を余儀なくされたマイナーなものでありながらも、そうした埋もれた宝物が後々レアグルーヴとして再評価され復活されたという現象は痛快なものです。ローカルにはローカルならではの風情がある、ということでしょうか。下町の定食屋、みたいな。


ダイク&ザ・ブレイザーズは、そのJBっぽいアーティストの中でも、比較的名の知れた存在。ウィルソン・ピケットの「ファンキー・ブロードウェイ」のオリジナルでも有名。その歌声はアーシーでドス黒く、ジリジリと盛り上がるファンキーな持続性にダンスフロアで鍛え上げられた実力を垣間見ることができます。