小学校の卒業記念なんかに、合唱や演奏なんかを録音したLPを生徒達に記念に配るという儀式は、世界中で行なわれてたわけですが、その学校とは何の関係もない物好きなコレクターの目に止まる内容であれば、それは「スクールもの」と呼ばれ、結構な値段がつくレア盤になったりするものです。


ここで紹介するのも、70年代に、とあるアメリカの学校で配られた記念LPを発掘したもの。内容はいわば学校教育の一環としての「ロック」授業。子供たちが楽器を手にして無邪気に演奏し合唱するのはウイングスやビーチ・ボーイズやベイシティ・ローラーズなどなど。体育館で録音したようなエコーサウンドが全編に。


子供たちの声で聴くロックは、どこか切なく悲しい感じがします。まるで森博嗣の「スカイ・クロラ」に出てくる「永遠に大人になることができない人たち」のよう。特にたった一人の少女が震えるような声で歌うイーグルスの「デスペラード」には、いつ聴いても鳥肌が。