60年代のUKガール・ポップって、とびきりゴージャスな感じがします。サウンドにしても、フィル・スペクターに影響された分厚いオケも、より音響的にクリアー。ジャッキー・トレントのシングルAB面を集めたこの編集盤も、各楽曲の隅々に、プロフェッショナルなアレンジの知恵を感じます。


特にペトゥラ・クラークの「ダウンタウン」でおなじみの大作曲家トニー・ハッチとカップル状態で連発したシングルは、どれも名曲だらけ。有名曲「Where Are You Now」はクリス・モンテスのカヴァーで知ったのが最初でしたが、とにかくメロディやコード進行、どれをとっても申し分ない。


で、そのB面だった「On The Other Side Of The Tracks」は、ハッチの曲ではないけど、目まぐるしいコードとリズムチェンジに眩暈がするようなドリーミーな名曲のひとつ。わりとオーソドックスに歌い上げるので、可愛らしさより豪快さで、迫力あるオケをリードしていくような印象も。