レア・グルーヴ全盛期の90年代初頭、「LUV N' HAIGHT」というスライの曲名と同じ名前の再発レーベルがありまして、そこから出ていたジャズ・ファンク系のオムニバス・シリーズが好きでよく買っていました。そこで発見したアーティストの1人が、キーボーディストのウェルドン・アーヴィン。


70年代に発表した6枚のアルバムのうち、自主制作盤ということで、最後まで入手しづらかった最初の2枚の、これは2枚目。先のオムニバスのタイトル・チューンにもなった「Deja Vu」が収録されています。フリー・ジャズ的なエレピと女性の語り部で始まる、クセになるようなラテン風味のファンキー・チューン。


全体的にローカルな音作りなのに、哲学的、あるいは宗教的な匂いもあるアーヴィンの感性のなせるワザでしょうか。単なるジャズ・ファンクに終わらない神秘性があります。完全にヒップ・ホップ世代にも対応できる完璧なスピリチュアル・グルーヴ。まさに未来の世代に聴かれるべきタイムカプセル的な大傑作。