だいたい、2月や3月に発表されるJ−POPの新曲って「桜」か「卒業」がテーマと相場が決まっていて、正直マンネリというかウンザリしてるところへ、Perfumeは新生活のお引越しをワンルームで表現とは、なかなかウマいところついたなぁ、と思うわけですよ。カラフルに並んだ小部屋で踊り歌うトリッキーなPVも面白い。


ドラムの基本ビートは単純な4つ打ちなのに、タメの効いたベースライン、それに絡むコードの複雑怪奇なバッキング、毎回違うブレイクの処理方法など、細かい部分のアレンジの凝り方が尋常ではありません。モロに音色が80'sのデジタルシンセっぽいフレーズも、ちゃんと今っぽいエフェクトで仕上げてるのは、さすが。


歌詞も最初、可愛らしい単純な引越しソングかと思わせて、サビの「遠い空の向こう キミは何を思うの?」あたりで失恋ソングにも聴こえてしまうという切なさもあり、実は深い内容ですよ。カップリングの「23:30」はジャジーなベースが印象的な落ち着いた曲で、オケだけ聴けば、まるでSadeみたい。