ベルギーのテクノポップ・バンド、テレックスの初期代表曲を、5人の日本アーティストがリミックスした企画アルバム。発売はアルファで、田中雄二による細野晴臣の単独インタビュー付。宇宙服を着たテレックスの3人のメンバーが、山手線に乗り込んでしまったという印象的なイラストジャケは、あの江口寿史によるもの。


原曲の音圧そのものをパワーアップさせたような松前公高と、高速ハウス風にオシャレにまとめた小西康陽は、逆にテレックスそのものの新譜のように仕上がっています。最初からプログラミングしなおした砂原良徳と一番オリジナルに忠実な戸田誠司サウンドは、やや大人しいものの、仕上がりはプロフェッショナル。


しかし、原曲をズタズタに解体した14分にも及ぶヤン富田のリミックス物が何といっても凄いです。暴れまくるシンセとエキゾチックなピアノフレーズがノンビート&ノンコードで延々続くかと思いきや、後半は何とテクノではなくアコギの弾き語りに。わけがわからないけど妙にクセになるこの感じが、いかにも。