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いきなりですが古内東子です。冗談で選んでいるかと思われるのも悔しいので、はっきり言ってしまいますが、これはもう大好きなアルバムです。昔からAOR風な音作りには定評がある人でしたが、ここ数年に至っては、開き直ったかのように「結局、私には、こういう音しか作れない」という感じで、AOR街道まっしぐらです。
さらにブラック・コンテンポラリーな要素も大きいのですが、近年よくあるR&B風歌姫みたいなものとも全然違っていて、いい意味で「ドメスティック」な雰囲気が、懐かしいシティ・ポップの残り香を感じさせてくれて、いいものです。アレンジなどは、最近のキリンジとか、RCA時代の山下達郎なんかにも、通じるものあり。
あの独特の鼻声ボーカルは、さらに凄味を増していて、もはや好きな人には中毒、キライな人にはまったく受け付けないであろう、恐るべきオリジナリティ状態に突入。相変わらずセレブなOLでもないので歌詞が全然ピンとこないけど、それがどうしたと言わんばかりの歌の迫力とアレンジの完成度の高さに圧倒されました。