「暗闇の中の管弦楽的戦略」という意味のわからない長いバンド名ですが、省略すればOMD。このOMDという響きにYMOと同質の音楽性の匂いを感じとり、実際アルバムを手にしたら、ヘタクソなズンドコ・ビートと、ヘタれニューウェイヴなボーカルが聴こえてきて唖然・・・なんて10代の頃の話。


今となっては、そのヨレヨレのリズムとリズムボックスのジャストなビートが醸し出す「揺れ」のようなものに、何ともいえない80年代初頭の素朴なエレクトロの良さ感じたりして。当時CNNニュースのテーマ曲で話題になった「エノラ・ゲイの悲劇」収録で有名な2ndアルバムですが、残りの他の曲の方が全然好きかも。


明らかに「アウトバーン」「放射能」期のクラフトワークの影響モロうけまくり。「VCL XI」なんて曲など、ワンコードのノイズインダストリアルな音と艶かしいボーカルが抜群。カッコ良すぎ。「モア・アイ・シー・ユー」のカバー曲は、クリス・モンテス版とは似ても似つかない陰鬱な音。風邪をひいたティアーズ・フォー・フィアーズみたい。