まだCDがそれほど普及していない頃、EDSELというレーベルの再発盤LPには、ずいぶんとお世話になったものです。思えばヴァン・ダイク・パークスの「ソング・サイクル」も、初めて買ったのはEDSELの輸入盤LPでした。そういう世代です。というか、そういう世代にはEDSEL、RHINO、ACEあたりのレーベルは基本なのです。


このキャプテン・ビーフハートも、EDSEL盤は、メンバーが、浜辺のような場所で演奏しているジャケでした。これが中身の音にすごく合っていて、今でもこっちのジャケの方がしっくりきます。まるで本当にその場所でレコーディングしているように。ここでのビーフハートの声は、半ば凶器。ジェームス・ブラウン以上の破壊力。


長い曲が4曲。しかも「Trotplane」は1コードのブルースなのに19分もあって、これじゃ終わりようもないんですが、終われないので終わらないというダラダラした感じがグッド。続く「Kandy Korn」は逆に凝りまくったアレンジがすごい。サイケというより、やっぱり異形のブルース。