「キュプラ」で話題のウィスパー才女フレネシ(frenesi)が、ハモンド・オルガン奏者の河合代介と組んだユニット。バックで演奏に参加している実力派ミュージシャンのラテン・ジャズ風味のグルーヴィーな演奏もさることながら、自由自在に泳ぐ水槽の魚のようなテンション高いフレネシのボーカルが、またスゴイ。


一言でウィスパーといっても、まぁいろんなタイプがあるわけですが、そんな様々なヴァリエーションを曲によって使い分けている点では「キュプラ」以上かも。特に「8*30のテーク」「Ma」「Bossa,Nor Bossa」「tre ore」そしてバラードの「'blue'EDIT」あたりの歌詞とメロディの一体感、そしてバンド演奏は素晴らしい。


残りの曲はチープで宅録風のモンド風味な曲とフュージョン風味のインスト。前者はナフタリン・スコール名義で実験的にカセットをリリースしていた頃を思わせるもの。後者の河合氏主体のインストは悪くはないけど退屈で、このユニットならではとはいえ、フレネシの資質とのズレをどうしても感じてしまいます。