あまり一般的には知られていませんが、これは80年代ロックを代表する大傑作。基本的にジム・フィータスひとりプロジェクトながら、バンド名義がコロコロ変わり、ジャケットも似たようなものばかりなんで、セールス的にはマイナスだったのかも。しかしもう、全曲パーフェクトな完成度としか言いようがありません。


ノイジーなパーカッションから、当時はノイバウテンあたりと比較されたものですが、今聴くとむしろアート・オブ・ノイズやゴドレイ&クレームあたりに共通するものが。絶叫ボーカルと激しいサウンドに最初は面食らった人も、よく聴けばノイズ・インダストリアルを超えた、優れたポップ音楽だと気がつくでしょう。


バットマンのテーマ」や「サーフィン・バード」など、オールディーズをネタにしたユーモア感覚も、すごく冴えてます。中学生の時、レコードを擦り切れるほど聴いたアルバムだけど、今聴き直してみても、単なる懐かしさだけでは終わりません。このサウンドは、まちがいなく未来に向かっています。