「ギズモ・ファンタジア」という邦題も優秀なゴドレイ&クレームの(アナログ盤では)3枚組の超大作。ギター・アタッチメント、ギズモの開発と研究の成果を思う存分発揮した作品、といえば聴こえはいいけど、ほとんどポップスの枠をはみだした「やりすぎ感」満載の問題作。が、今となっては彼らの作品の中では一番好きかも。


ほとんどインストで語りの部分も多く、効果音のような音が延々続いたりと、付属のブックレットを読みながらではないと(いや、読んだとしても)、なかなか瞬時に理解するのは難しいけど、それだけにハマると中毒性が高いです。オーディオ的なクオリティも高く、いまだにどうやって録音したのか謎が多すぎます。


ボクはポップフィールドで過激な実験をする人が好きで、たとえばトッド・ラングレンなんかもそうですが、優れたメロディー・メイカーなのに知的好奇心が強すぎて、ある種バランスが崩れてしまうようなミュージシャンに、すごく人間味を感じるのです。時折現れるコーラスと美しいメロディは、やはり10ccっぽいかな。