イ・プーは芸歴が長いだけでなく、アイドルとして出発して、ずっと第一線で活動してきた、イタリア本国では大変に有名なバンド。日本では70年代前期のクラシカルな作風からプログレの範疇で語られてますが、基本的には素朴な歌モノでカンタウトーレと呼びたいもの。ラブ・ロックとも言うらしい。ラブ・ロック・・・恥ずかしいなぁ(笑)


後にソロになって有名になるリッカルド・フォッリが在籍していた頃の「ミラノの映像」('71)も、初めて買った彼らのアルバムだけに思い出深いけど、やはり聴くたびに泣いてしまうのが、この「パルシファル」と「ロマン組曲」('75)における「これぞクラシカル・ロック」といいたくる作風。


プロコル・ハルムの「グランド・ホテル」('73)あたりの音を、さらに極端に、あるいはベタにしたようなマイナー・コードのペンタトニックのフレーズの応酬に、さらに追い討ちをかけるギターソロ。このベタさが古臭く、またその古臭さが魅力なのです。特にラストのタイトル曲。イタリアらしい「泣き曲」の集大成でしょう。