タンジェリン・ドリームといえば、圧倒的に70年代初期の作品に思い入れがあります。ヴァージン移籍後の「フェードラ」や「ルビコン」あたりの浮遊感あふれる静寂なシンセ・ミュージックが有名ですが、オルガン、フルート、ギター、ノイズが混沌と抽象的なサウンドを奏でるこの頃のサウンドもやっぱり好きですね。


以前クラウス・シュルツェとコンラッド・シュニッツラーのアルバムを紹介しましたが、彼ら2人が脱退し発表されたのが、この2nd。シュルツェのシンセ音楽が、もっと神経質的にジリジリと人間の内面に浸透していくものだとしたら、タンジェリンのシンセ音楽は、もっとヴァーチャルでスペイシーで夢のようなもの。


高校生の時、横尾忠則氏の絵をに封入した日本盤LP「ケンタウルス座のアルファ星」が初体験。音だけだったら、たぶん「怖い」と思ったサウンドも、日本語解説で救われた部分もありました。Arcangeroの紙ジャケ盤には同時期のシングル曲のボーナスCD付。ハードなギターも炸裂するロックで、ファンの度肝を抜きました。