バーズ、デビュー前の記録。録音は64年。ご存知のとおり、正式なデビュー盤「ミスター・タンブリン・マン」のようなスタジオ・ミュージシャンの手助けもなく、正真正銘のメンバーによる演奏。バーズ人気を狙って69年にLP発売。その後もジャケを変えたり曲数も増えたりして、海外では何度もリイシューされています。


正式デビューには頼りないと判断されたこのデモ演奏。確かにデビュー盤に比べればスカスカなサウンドながら、ソフト・ロックネオアコを通過した今となっては、不思議とこちらの方が今の気分。ビートルズに影響受けた演奏や曲調ではあるのに、結果的に64年にして「ラバーソウル」の地味っぽさを先取りしているような。


タートルズで有名な「You Showed Me」、元dB'sのコンビ、Peter HolsappleとChris Stameyもカバーしたジーン・クラークの「Here Without You」という出だしの2曲も泣けますが、個人的ベスト曲は、そよ風のようなハーモニカが爽やかな「The Airport Song」。日本盤CDのみという矢吹申彦氏のジャケは、どこか70年代的ですが。