もはや後世に伝えにくくなってしまった現象のひとつとして、80年代初頭の「ペンギンブーム」というのがありました。なんだか知らないけど、自分も子供の頃、ペンギンのイラストをノートの隅っこによく書いてました。謎です。松田聖子の「Sweet Memories」が印象的なペンギンアニメのサントリーのCMの影響でしょうか。


さらには「カフェバー」なるものも流行っていたりしたので、その2つを組み合わせたような名前のペンギン・カフェ・オーケストラが日本で話題にならないわけがない。そういえば、その後、サントリーのペンギンダンスCMも流行って、BGMのマーク・ゴールデンバーグのLPも日本でヒットしたような。どちらも何故かインスト。


この力の抜けた軽妙な室内楽アンサンブルと人を食ったようなユーモア感覚は、自分のなかで初期のGONTITI(ゴンザレス三上チチ松村)につながるもの。胡散臭いメッセージを排除にした、こうした「記号」だけのような音楽も、またニューウェイヴだった時代。電話のダイヤル音を使った3曲目は、今ではなんだか懐かしい響きがします。