クラシックの室内楽で盛り上がったりする場面において、「あぁ、ここでドラムが入ったら最高なのに」とか思ってしまうのは邪道だとしても、そういう欲望を抑えられなくなったようなジャンルに「チェンバー・ロック」というものがあります。今回紹介するベルギーのユニヴェル・ゼロは、その代表的なバンド。


実は初めて聴いたのは彼らの2nd「Heresie」('79)で、それはまるで「音で人を殺そうとしている」としか思えないようなオカルトな恐怖に満ち溢れた戦慄の一枚でした。インパクトは彼らの作品では一番。しかし、さすがにこれを紹介して悪夢にうなされても困るので、幾分軽くなりノリも良くなった4thアルバムの方を紹介します。


ベースやドラムがあるので、やはりノリそのものはロックではありますが、繰り返される変拍子攻撃と、そこにサックスやヴァイオリン、チェロ、ピアノが絡むと、まさにチェンバーなサウンドに。インストですが、全曲作曲してるのがのドラムのダニエル・デニス。マグマのドラマー、クリスチャン・ヴァンデに通じる音楽性があります。