「東京ロッカーズ」という響きだけで、もう夜の風景しか頭に思い浮かびません。ここに参加しているバンドのメンバーは、昼間は何をやっていたのでしょうか。コンビニでおにぎりを買う姿とか、まったく想像できない。闇夜に飛ぶカラスのような、見えそうで見えない危なっかしいイメージ。「ハロー、東京ジャンキー!」とか、イントロのかけ声だけで、鳥肌が立つカッコよさ。


79年3月11日。新宿ロフトにて収録されたライブ盤。参加アーティストはSーKEN、リザードフリクション、ミラーズ、MR.カイト。裏ジャケットには、参加メンバーの白黒写真が載っていますが、とにかく全員、眼光が鋭い。誰もが「本気」。まっすぐカメラを見つめている。ニヒリズムを売りにした業界ニューウェイブとの違いが、音にも。すごい切迫感。


さすがに結構今の時代に聴くとリズムなど相当「もっさり」していますが、それでも、ギターの音からこぼれてくるようなサウンドの湿度の高さが、東京ならではのクールなイメージを感じさせます。フリクションがやはりずば抜けて切れ味鋭いんですが、ミラーズの無骨さとMR.カイトのドロドロ感も素晴らしい。