昔から地味にレコードを集めていたクラトゥーですが、ちょっとプログレ路線に走りすぎた2ndから、一気にコンパクトでポップな音楽性が花開いた3rdのこれを一番良く聴きましたね。リマスターCDで聞き直しても、アレンジの引き出しの多さ、ジョージ・マーティンもビックリの管や弦のセンスのいい使い方など、英国ポップ好きならストライクな曲の連続(といっても、実質カナダのバンドですが)


ハードロックやディスコ、あるいはNWっぽい曲も、「やったけど、この辺どまり」という引きの美学。とはいえウイングスのような押しの部分もヒットには必要だったり。基本スタジオ系の人たちなのでしょう。ただアラン・パーソンズ・プロジェクトのセールスを思うに、戦略次第で商業的に成功の可能性もあったのに。ビートルズの変名バンドなんて、ちょっとリスクが大きすぎて可哀想でした。


むしろスタックリッジの変名バンドという方が信じてしまいそうなバンドですが、それじゃ売りにならないか(笑)カーペンターズまで虜にして注目を浴びた1stに比べると、他のアルバムは、当時は耳にした人も少なかったと思いますし。ジャケットの地味さも要因かな。すべてのアルバムがCD化された今、音のクオリティにノックアウトされる新たなファンが増えることを願ってます。