「英国のザ・バンド」という表現は安易ながらキャッチとしてはわかりやすいのかも。正直ヒット曲「青い影」や、代表作「グランド・ホテル」('73)あたりを聴いて、そうかなぁと思っていた自分も、この2ndを聴いて、ザ・バンド類似したサウンドを感じずにはいられませんでした。オルガンとピアノという2台の鍵盤楽器。タメの効いたドラム。教会音楽のようなコード進行など。


そして何よりゲイリー・ブルッカーの歌声そのものが、リチャード・マニュエルと同質の雰囲気を醸し出してます。不器用な男が意地を張っているような、「男はつらいよ」的な哀愁といいますか。とはいえ、クラシカルな要素が増えてくるラストの大曲が終わる頃には、もう気分はすっかりディープな英国の世界へ。最高に紅茶が似合うロックへと変化しています。


楽器の鳴り方のせいなのか、編成そのものは大きくないのに、まるでオーケストラでも聴いているかのような音の厚さを感じさせます。それがライブ音源を聴いても同じくらいに音が厚いのですから不思議。歪んだエレキギターが、歌い上げるボーカルをさらに叙情するかのように泣きのフレーズを連発するあたり、このバンドの真骨頂という感じで盛り上がります。