当時、オリコンチャートの6位だったという事実もさることながら、実際、音楽的にも脂が乗り切っていた時期(本人ライナー談)なのでしょう。最近リマスター盤CDで買い直して、単に懐かしさだけに終わらない当時のアレンジの音の豊かさに聴き入ってしまいました。


極上のシティ・ポップでありながら、どこかテクノ的な感触もあり、それでいながらアコースティック楽器のオーガニックな感触の余韻が最後には耳に残ります。インスト曲の3曲も、アルバムの流れに心地よい小休憩を挟みます。


坂本龍一のアカデミックな弦アレンジが光る「夏に恋する女たち」やクールなテクノ「幻惑」。清水信之アレンジの「SIGNE(記号)」の、どこかロック的な艶やかさ。「RECIPE(調理法)」も完璧なNWポップ。80年代を代表する極上のポップス・アルバム。