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「スーザン・ムーアとダミオンの為の組曲」というタイトルから、さぞや幸せな家庭生活を感じさせるアルバムかと思いきや、暗くダウナーなアシッド・フォーク臭がプンプンと。ティム・ハーディンといえばコリン・ブランストーンがカバーした「ミスティ・ローゼス」での美しいメロディで気になってた人だけに、本人のアルバムがこんなにヨレヨレでグダグダ(誉め言葉です)だとは思わなかったです。もっとも他のアルバムは、そうでないのも結構ありますが。
その後はすぐに妻と子とも別れ、ジョン・レノンの死のニュースの影に隠れて1980年の12月に孤独死してしまいました。そんなことを知ってしまうと、ますますこのアルバムの暗さも増してしまうでしょうが、基本的には「新生活を祝ってウッドストックの自宅で8チャンネルテープ持ち込み、仲間とレコーディングしてアルバム作ったるか」というコンセプトなのでしょう。でも3曲目にしてピアノをバックに歌わず延々語ったりとか、どうにも聴いていて憂鬱な気分になります。
しかしM-5のように朝の木漏れ日のように美しいメジャーセブンスの曲があると、やはりなごんでしまいますね。自宅録音だけあって音のバランスが変ですが、そんなプロの録音らしくないサウンドも今の時代ならフィットしていると思います。ビックリしたのは10分近いセッション風のM-9。なんと4分ぐらいで曲が終わったのに「いやいや、もう一回」という感じでもう一度最初から曲が始まるから長いだけという。こんな練習風景を見ているようなトラックも、今となっては面白いです。