未発表ライブが山のように出ているソフトマシーン。確かにこのバンドの場合、スタジオ盤だけ聴いて追っているとアルバムごとにメンバーも音楽性がダイレクトに変化しすぎるため混乱してしまうのです。当時のライブを収録したアルバムを年代順に聴くと音楽の変化がとても自然な流れであったと痛感します。普通ならバンド名を変えてもおかしくないのに、あえてソフトマシーン名義にこだわり、タイトルも番号という素っ気なさが逆にカルトな人気に拍車をかけたのかも。


ブートを別にすれば80年代はそれほど多くなかった未発表のライブアルバムで、個人的に当時もっとも聴きこんだのがコレ。今は廃盤かもしれませんが驚くなかれ、実は2006年にリマスターされた「サード」がボーナスディスク付きのCD2枚組仕様になっており、そのディスク2がまるまるこのアルバムと同じライブ音源を収録しているのです。ライブの時期としてはサードとフォースの中間にあたりますが、スタジオ盤より躍動的で、よりスムーズなジャズロックが堪能できます。


スタジオ盤の「サード」は、メンバーの意図的とも思えるくらいに不気味なサウンドコラージュが多くクールな印象ですが、このライブ盤では、比較的シンプルで熱のこもった演奏が収録されてます。メンバーはメンバーはマイク・ラトリッジ、ロバート・ワイアット、ヒュー・ホッパー、エルドン・ディーン。BBCのラジオ用の音源ということもあり、音質もとても良い。数あるライブ発掘音源の中では「アット・ザ・パラディソ」や「ノイゼット」と並んで必聴盤です。