このVesuvio Soloはカナダはモントリオールのユニット。新譜であるのにカセットテープのみ100本限定発売。情報も少なく正直何もわかってないで紹介してるんですが、これが個人的に2014年最大の発見。音質も含めてあまりに80年代中期のインディー・ポップなサウンド。いや、これ本当に80年代に録音されたものの未発表アルバムだったりして(実際そうかもしれません)。


カセットテープならではの「スー」という心地よいヒスノイズの後に聴こえてくる1曲目のシンセ音を聴いていきなり反応。New Musikの「peace」そっくりのコード進行は偶然でしょうか。ボーカルはいかにも当時の英国ニューウェイヴっぽいナヨナヨ声なんですが、これも味なんですよねぇ。TRAというカセットブックのシリーズや、80年代中期の新星堂やWAVEの香りがプンプンします。といって通じる人しかわからない世代向けのアルバムという印象は正直否めませんが。


B面になるとドゥルッティ・コラム風のギターも飛び出し、より混沌としたネオアコースティックな世界に突入していくのですが、どういうわけかこのアマチュアっぽい音が2014年の今、とても新鮮に響いてきます。たまたま先日再発された「クレプスキュール物語2014」にひっそりまぎれていても何ら違和感ない音ですし、サウンドだけでなく曲そのものの素晴らしさも特筆もの。次は是非アナログ盤出して欲しい。