この「テクノマジック歌謡曲」はYMOとは直接的には関係ないけど、先の「イエローマジック〜」と同じくテクノという病魔に冒された80年代裏歌謡の集大成みたいになっていてスゴイです。とはいえ本家とまったく関係ないというわけでもなく、YMOファミリーに絡んだ人たちも多いです。とにかく本家以上に「テクノ」に対してあからさまなのが大胆で、下品度、衝撃度は「イエローマジック〜」を遥かに越えた壮絶な内容になってます。たとえば・・・。

★アパッチは、ボイス変調されたキャンディーズもどきとはいえ、図太いシンセベースの音が圧巻。
★HEROは、何故かシングル盤持ってました。安っぽいリズムボックスが美味。
★バラクーダーは今回最大の発見。正直クラフトワークを越えてる。
★おぉ、我等が大野方栄さんも収録!でもこれはフュージョンでしょう。本人怒るぜ(笑)
高見知佳の「くちびるヌード」は当時から大好きな曲でした。やっぱりいい曲だ。
★TPOもバラクーダー同様シンセ音がカッコいい。阿久悠の詞がキレてる・・・。
杉浦幸矢野顕子らしい曲ですが、歌がヘタなのが切なくていい。
三田寛子は、チャクラの板倉文のアレンジが絶品。浜口庫之助の曲が、こんなオシャレになろうとは。
★渡辺美奈代はモロにポータブル・ロック。これも昔から好きな曲でしたがテクノじゃないよなぁ。
谷村有美はエアプレイ風で完成度高いが、これもテクノ?という感じ。
芳賀ゆい宍戸留美は、今さら聴きたいとは思わないな。
★はにわちゃんはザッパ風でぶっ飛んでる。できれば小川美潮の歌で聴きたかった。

と、まあ一部文句はあれど、これほどアクの強い曲が一気に揃う歌謡曲の編集盤もなかなかあるわけじゃないので、なくならないうちにCD屋にレッツ・ゴーです。最近は「懐かしのメロディー」みたいな感じで大ヒットしたフォーク/ニューミュージック系のオムニバスCDばかりが出てますが、そういうテレビでも聴けるような有名な曲はどうでもいいから、こうした埋もれた80年代の個性的な歌謡曲群こそ、こうやってどんどん発掘して欲しいものですね。