単純に何の資料もないまま「1988年のベスト・アルバムを10枚あげよ」と言われても、さっぱり思い浮かばないものですよね普通は。ところがこうやって当時のMM誌のバックナンバーのページをポロポロとめくっていくと、やっぱりいろんな記憶が蘇ってくるものです。高校生の頃、ストーンズのカバー・バンドでドラムを叩いたりしていたので、バンドのメンバーと「キースのソロはいいか?悪いか?」なんてリハ終わってからペチャクチャ話していたり、ブライアンの復活初ソロで初めてビーチ・ボーイズを知った友達に「そんなの聴かないで、60年代のヤツ聴けよ」とか、エラぶって説教したりとか(笑)まぁとにかく、ひとつだけ思うことは「やっぱりオレ、昔から好きなの変わってないじゃん!」ってことかな。当時好きだったものは、今でもやっぱり好きだったと、そういうことです。表紙はブーチー・コリンズ。

①プリファブ・スプラウト / ラングレー・パークからの挨拶状
②エヴリシング・バッド・ザ・ガール / アイドルワイルド
ソニック・ユース / デイドリーム・ネイション
モーマス / テンダー・パヴァート
⑤ギャング・ウェイ / シッティング・イン・ザ・パーク
⑥マイ・ブラッディ・バレンタイン / イズント・エニシング
⑦ゴドレイ&クレーム / グッドバイ・ブルー・スカイ
⑧ゴー・ビトゥイーンズ / 16ラヴァーズ・レーン
⑨ザ・ロッジ / スメル・オブ・ア・フレンド
山下達郎 / 僕の中の少年

う〜ん、今でもよく聴く10枚ですね。①は遂にスティーリー・ダンに肉迫した曲作りの上手さとシャキっとしたバンド・アレンジが素敵な名盤。②は個人的にEBTGで一番愛着のあるアルバム。休日の午後の木漏れ日のようなサウンド。③は、その後快進撃を続ける彼らの最初のピーク。ちなみにMM誌のクロス・レビューでは森脇美貴夫が9点、中村とうようが1点でした。よ〜く、わかります(笑)④はとにかく衝撃で、ニック・ドレイクやジャック・ブレルを彷彿とさせる「陰」のパワーが炸裂したすごいアルバムだと今でも思います。⑤は80年代ならではのエレ・ポップながら、曲の良さで今でも充分聴けます。

⑥は、当時「こんなギターの音、聴いたことない」というくらいの衝撃がありました。アルバム未収録のシングルが、またスゴイ。⑦は当時10cc的な凝ったものを期待してたので、最初は「アレ?」でしたが、歌詞を読んで聴きなおして、これはたいへんなスケールの大きいコンセプト・アルバムだと納得しました。⑧は朴訥としたフォーク・ロック風で、そのやるせない感じの佇まいがいいですね。⑨はジョン・グリーブスとピーター・ブレグヴァドという英国ロックの極渋コンビによる「大人のロック」サウンド。⑩は、特にアナログB面の切ない流れが大好きで、最後のタイトル曲が流れる度に、ボクは高校生だった自分が風を切って毎日自転車通学していた、あの頃の青春気分がいつでも甦ってくるのです。