1989年というと、何だろうな〜。「イカ天」かな。リトル・クリーチャーズは好きだったけど、つまらないバンドが多くてイライラしてましたね。あと恥ずかしいけど、とんねるずの番組にセーラー服で出てた宮沢りえは、アイドル音痴のボクが初めて心ときめいたキュートな存在でした。今となっては自分でも信じられませんが(笑)バブルの絶頂期で「消費税」なんてのが導入されたのもこの頃。海の向こうでは「天安門事件」など、世紀末に向かって歴史が動いてると子供ながらにヒシヒシと感じていた時代でした。

大好きなはずの英ロックですが、この年は不作。イカ天並につまらないバンドばかりで、ウンザリしてました。MM誌の高橋健太郎も「こんな時代にプリティッシュ・ロック・マニアなんでやってる人たちは、つくづく不幸だと思う」なんて言ってましたし。とにかくハズレが多くて、今じゃ聴かないロックのレコードが今でも数多く家のレコ棚に眠っています。

なので少々不安なベスト10選びでしたが、選んでみると何だかんだと素晴らしいアルバムが並びました。全部リアルタイムで買ったものばかりで選んだので、相変わらずワン・パターン気味に登場するアーティストもいますけどね。表紙はレ・ネグレス・ヴェルト(←聴いた事ない・・・)

①XTC / オレンジズ&レモンズ
②プリファブ・スプラウト / プロテスト・ソングス
スウィング・アウト・シスター / カレイドスコープ・ワールド
カエターノ・ヴェローゾ / エストランジェイロ
⑤ブルー・ナイル / ハッツ
フリッパーズ・ギター / 海へ行くつもりじゃなかった
⑦グランド・ファーザーズ / Western Charnande
いとうせいこう / MISS/AGE
デ・ラ・ソウル / 3フィート・ハイ・アンド・ライジング
細野晴臣 / オムニ・サイト・シーイング

①と②はノーコメント。っていうかいいに決まってる(笑)③は個人的にソフト・ロックが盛り上がっている頃だったので、まさに「きた〜!」という感じのジャストな音でした。④はカエターノ初体験盤でしたが、ブラジルにも、こんな先進的なロックがあるのかと目からウロコの衝撃盤でした。⑤は深夜にひっそりと聴きたい、ひんやりとした感触がたまらない英ロックの隠れた傑作。

⑥はやっぱり衝撃で「センス」というものの重要性を改めて感じさせてくれます。イカ天のセンスの悪さとは対照的でしたね。⑦はライダーズがらみでXTCっぽいという前評判で期待して買ったら、いい意味で裏切られました。「きかん坊」って曲が、とにかく大好き。⑧は日本のラップの最高峰だと今でも思っていますし、⑨のお遊びみたいな軽いラップも、ボク好みで大好きでした。ボクにとってヒップ・ホップは、この時期がピークでした。全国的に人気が出るのは、これ以後でしたが。⑩は、この時期流行ったワールド・ミュージックを視野にいれつつも、さすがの貫禄を見せつけてくれました。彼の最高傑作ではないでしょうか。

このシリーズはひとまずここまで。90年代以降は、新譜を全然買わなくなったので選ぶ自信がありません、ということで。