バディ・ホリーというとメガネという印象がありますが、このアルバムはメガネをかけてませんね。およそロックンロールらしからぬ学校の先生みたいなルックスですが、代表曲の「ペギースー」とかで急にオカマ声になっちゃうところとか、結構イタズラ小僧っぽい感じがいいですね。この人、もし若くして死ぬことがなければジョン・レノン級のスケールのミュージシャンになっていたかもしれません。歴史に「もし」はないんですが。


バディ・ホリーといえばシャックリ歌唱で有名ですが、かならず歌のフレーズの最後に「♪ア、ヘイ〜ヘイ〜♪」みたいな節回しが、もうこれでもかというくらいにワン・パターンに入ります。ナイアガラ・トライアングルの「A面で恋をして」なんか、バディ・ホリーの「Everyday」なしには生まれなかった曲ですもんね。♪ア、ヘイ、ヘイ〜っと。


さらにスカスカのエレキ・ギターにポコポコしたドラムとベースという、今のロックの音圧からは信じられないくらいのショボさなんですが、なんでしょう、この「味」とやらは。コードも3つぐらいだし、どの曲も2〜3分、ヘタしたら1分ぐらいで終わっちゃいます。シンプル・イズ・ベスト。余計なおせっかいが入らない、この時代のロックン・ロールは、今も昔も清々しいものです。


ビートルズもカヴァーした「Words of Love」が今も昔も大好きです。このシャラシャラという鈴みたいな音は何なんでしょうか?昔から疑問だったんですけどね。もはや半世紀前ぐらいの録音という事実に愕然としてしまったりして。どうもチャック・ベリーやエルヴィスより、ボクはバディ・ホリーが好きな人間のようです。