YENレーベルの代表的なアーティストによるクリスマス企画アルバム('83)。といってもYEN以外のアーティストも混じってますが、違和感なし。初めて聴いたのは中学生の頃でした。どのアーティストも単純にクリスマスの雰囲気に流されるだけじゃなく、ちゃんと自分の土壌で音楽的に勝負しているのが素晴らしいです。名盤。


ムーンライダーズの「銀紙の星飾り」は、彼らの曲のベスト5に入るくらい大好き。この目まぐるしい展開といったら!。細野晴臣アレンジの大貫妙子の「祈り」なんて、この路線でLPまるまる聴きたいくらい神秘的。加藤和彦作曲のピエール・バルーのサンバ曲、シニカルなインストで勝負する立花ハジメ上野耕路ゲルニカ)も、いい塩加減だなぁ。


賛美歌を歌う戸川純は、その歌声だけで唯一無比。テクノな越美晴、どポップな伊藤銀次は、それぞれ自分らしい曲調。細野晴臣アンビエントなインストで始まり、厳かな高橋幸宏のバラードで終わるという構成も見事。クリスマスをネタにした「ニューウェイブの卒業式」みたいなアルバムにも聴こえてきますけど。