アルバムの裏ジャケットには、グラスに注がれたシャンペン(ワイン?)の写真。よく見れば、グラスにメンバーの姿が逆さまに映っているではないですか。中学生のときに、何の情報も知らないけど鈴木慶一さんが紹介していたという理由だけでアルバムを買って以来、ずっと愛聴していた盤なのに、今まで全然気がつきませんでした。こんな「隠し味」も、この時代の英国ロックの奥深さを象徴しているような。


いわゆるクラシカル・ロックと呼ばれるジャンルの代表作であり、更にそれらを一網打尽にしてしまう完成度の高さ。タイトル曲の途中で、ラウンジ風のワルツがどんどんテンポが速くなっていくところの映像の喚起力など、聴きながら唸る場面多し。弦や合唱団が入ってない曲でも、チャーチオルガンと立体感のあるドラムだけで、充分にゴージャス。ライブバンドとしての実力も感じさせるバンドアレンジ。


イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」と腹違いの兄弟のようなアルバムのように感じるのは、ホテル内を映した見開きジャケットの印象がお互い似ているからでしょうか。やはりアナログ盤で聴いた方が、雰囲気が盛り上がりますね。捨て曲なしのアルバムですが、特に泣けるのが「ラム・テール」。聴くたびにムーンライダーズの「オールド・レディー」が脳内で同時再生されてしまいますが。