「思い出のレンタル日記」続いてます。最近買ったアルバムを紹介しないで、昔の愛聴盤ばかりを紹介しているわけですが、やっぱり中学生ぐらいだと、完全に邦楽の方が影響を受けますね。特に強烈なキャラを持った日本人ミュージシャンに出会うと「コイツ、すげ〜」って思うわけなんですが、もう学校とか行ってるわけですから、すぐ言いふらしちゃうわけなんですよ。もちろん一部の音楽好きの友達に。

で、その頃、YMO関係が好きなY君という友達がいまして、音楽の話でいろいろ盛り上がっていた頃に、よく話題になってたのが戸川純という人。もちろんボクはゲルニカが大好きだったし、戸川純のソロ・アルバム「玉姫様」('84)も、当時買いはしなかったけれど、レンタルしてよく聴いていたわけです。ちなみにY君は、ちゃんと戸川純を買っていましたよ。巷でも、この個性的な女性シンガーは話題でしたからね。親戚の家にも中島みゆき爆風スランプと一緒に、戸川純のレコードがあったりしましたからね。そういう面白い時代だったのです。宝島とか、ビックリハウスとか思い出しますね。こういうサブカル雑誌って、今見ると最悪だったりするんですけとね(笑)

というわけでアルバム「玉姫様」を今聴いてます。今はちゃんとCDで持ってますよ。元ハルメンズのメンバーらがバックアップして、懐かしいYENレーベルから発売されました。戸川純って80年代のアダ花みたいに思われているますが、ボクはこの人、マジで天才だと思ってます。ハルメンズのナンバー「昆虫群」も、まるで自分のナンバーにしちゃってますね。どんな楽曲でも、声を発した途端に「戸川純」というブランドになっちゃうのですよ。だから細野晴臣をはじめ、有能な男性スタッフがバックアップしていても「あやつられてる」という感じがしない。

周りのミュージシャンは、実にいい仕事してますよ。細野氏が書いたタイトル曲も名曲だし、サエキけんぞうが詞をかいた「隣の印度人」なんて最高です。でもやっぱり戸川純の歌唱につきます。完全に「あっち世界」にいっちゃってますね。Y君は、戸川純が大好きで、それは音楽だけにとどまらず、「マジで戸川純と結婚したい」と言ってましたからね。う〜ん、Y君は今どうしてるんだろうか。まさか懲りずに「マジで椎名林檎と結婚したい」とか言ってるんじゃないだろうな(笑)

戸川純は、その後ヤプーズというバンドを結成するんですが、「ヤプーズ計画」('87)というアルバムがまた最高にカッコよかった。1曲目の「バーバラ・セクサロイド」のカッコよさなんて、まるで椎名林檎だと思うけど、そのあたり、どーなのよY君?