今日も坂本龍一ですね。なんかこうやって連日取り上げると、ものすごい信者みたいですが、別にそういうわけではありません(笑)というか坂本龍一という人の音楽は、何かこう「いいものもある、悪いものもある」という、どこかで聴いたようなセリフは吐きたくなってしまうほど、楽曲に好き嫌いが多いのも事実なんです。でも、ボクは最近、音楽を「好き嫌い」だけで判断してしまうのはどうなんだろうという気分でもありますし、キライな部分というのは「ボクの理解力が足りないだけだ」と思うようにしてます。音楽は数学の方程式のように自分の中で解決してしまえばいいというわけではないんですし、曖昧なものの中にこそ真実があるんじゃないかと、そんな風に思っている今日この頃です。

と、わけのわからない話はこのくらいにしておいて、とりあえず坂本龍一。1980年に発表された「B−2UNIT」です。まさに全国のYMOファンの小学生にアヴァンギャルドを教えた問題作。話が戻るようですが、これは好き嫌いでいったら、もう完全に大好きなアルバムでした。音楽というよりも1つの体験でしたね。未来体験。CGアニメを初めて観た時の衝撃にも近いものがありました。その頃、自分はまだ小学生だったとはいえ、こういう音楽はテレビからもラジオからも、一切流れてこなかったと思うですよ。今でこそレコードというものを買っても、聴く前から「だいたいこんな音楽だろう」というある程度の想像はつくんですが、当時は「坂本龍一の新譜」という意外、一切余計な情報をヌキにして(というか音楽雑誌とかも読んでなかったし)聴いてしまったわけで、とにかく、その音に驚きました。

何がスゴイって、もうワケがわかんなかったからですよ(笑)でも、わけがわかんなくても、このブリブリというシンセの音と、永遠に終わらないかのようなリズムのループ感覚、不気味にコラージュされたSEは、新しいモノ好きな小学生に「もう、これしかない!」って思わせる迫力がありましたね。今でこそダブの影響だ、パンクの返答だとか、いろいろ後付けで補足説明できる部分もあるんですけど、やっぱりこれは「ワケがわかんないけどカッコいい」ぐらいの説明で終わらせて、とりあえず「聴いてない人は今すぐ聴くべし!」とだけ言って逃げていいでしょうかね。

そうそう、この時代のYMOメンバーのソロ・アルバムが一挙に紙ジャケでCD復刻されたようです。もちろん「B−2UNIT」もあり。期せずしてタイムリーなレビューになりました。よかった、よかった(笑)