タイトル通り、1969年の「ワーナー/リプリーズ」の所属アーティストによる2枚組のオムニバス・アルバム。当時宣伝用に売られていたもので、今となってはCD化は難しいタイプのレコードなのかもしれませんが、もうこれが最高の大愛聴盤なのです。なにしろアメリカの「ワーナー」に所属していれば、それでOKという感じなので、ブリティッシュ系グループも、アメリカでの販売元がワーナーなら、見事に分け隔てなく混在しています。やれアメリカだイギリスだと、何でもかんでもジャンル分けしたがる今どきのオムニバスとは、まるで懐の大きさが違いますね。というか、ただ何も考えてないだけかもしれませんが(笑)

いきなりA面からぶっ飛びです。ザッパが発掘したという狂言回しみたいな浮浪者ワイルドマン・フィッシャーの語りによる導入部から、いきなりジェスロ・タルによるブルース・ロック!そしてペンタングルによるフォーキー・ジャズから「アストラル・ウィークス」時代のヴァン・モリソン。さらにファミリーなんていう渋いグループからニール・ヤングと、もう無茶苦茶なラインナップなんですが、何なのでしょう、この独特の統一感は。不思議なもんです。

B面はエヴァリー・ブラザーズのアルバム「ROOTS」からと、サル・ヴァレンティノ、ボー・ブランメルズ、ランディ・ニューマンと、いかにもバーバンクの王道が続きますが、何といっても、ここでしか聴けないというヴァン・ダイク・パークスの「ダットサン」のCMソングがスゴイ。たった1分間で「ソング・サイクル」というアルバムを表現したかのような、凄まじくサイケデリックなコラージュ!!別のオムニバスで聴けるアイスクリームのCMソングも含め、このサイケデリック期のヴァン・ダイクのアルバム未収録曲を集めたコレクションCDは発表されないもんでしょうか。願わくはサンデイズドあたりから。

C面は、タイニー・ティム、ザッパ&マザーズ、ファッグスという「変態系(?)」ばかり集めた「濃い〜」選曲で、個人的には、このオムニバス最大のハイライト。なぜか一緒にされてるアロー・ガズリーですが、ノベルティ・タイプのコミック・ソングなのでしょうがないか。D面は、いかにもB級な感じのスウィート・ウォーターから、ジョニ・ミッチェル、エリック・アンダーセンといったしっとり系SSWへ。しかし、なぜかそこからエレクトリック・プルーンズ、そしてキンクス!の流れるんだからたまらない。最後はジミ・ヘンと「パタ・パタ」で有名なミリアム・マケバによるザ・バンドのカバー曲で終わります。

ちなみに、このワーナー系のオムニバスLPは数種類出ていて、ボクが持ってるのは、そのうちの3種類。ちなみにボク以上のレコジャンキーである兄は全部持ってるらしい(笑)