きよさん(id:addsomemusic)の日記にコバンザメしちゃうようですが、リトル・フィートの「ディキシー・チキン」('73)です。ボクもロックを聴きはじめた中学生の頃に「名盤100選」みたいなので必ず取り上げられていたのがコレだったりしたのがキッカケでした。


はっぴいえんどのラスト・アルバムの頃、メンバーがリトル・フィートのレコーディングを観てショックを受けたという話を聞いたことがあります。その時レコーディングしていたのが「Two Trains」だったとか。たしかに、こんなファンキーでゴキゲンな演奏を目の前でやられちゃったら衝撃受けるでしょうねぇ。思えば鈴木茂の「バンドワゴン」は当然としても、細野晴臣の「トロピカル・ダンディ」や大滝詠一「ナイアガラ・ムーン」も、リトル・フィートの影響なしでは、あそこまで傑作になりえたかどうか。


泥臭くもファンキーでシンコペーションしていくという感じの最もよいお手本がフィートだったのでしょう。それは、はっぴいえんどのようなシリアスな「日本語ロック」ではなしえない、ある種の「軽さ」の追求でもありました。軽やかなんだけど、根は深い。それがリトル・フィートでした。それでも「Fool Yourself」みたいな曲を聴くと「もしはっぴいえんどが解散してなかったら、こういう感じなんだろうなぁ」とか思っちゃうんですけどね。


ちなみにボクはミュージシャンとして数多くステージで演奏してきましたが、ボーカルで歌ったのは、ただの1回のみです。「ウィリン」をギター弾き語りで歌ったことがあるんですよ。大学生の頃、高円寺のライブハウスで。今考えると恐ろしいことですが。それほどあの曲には、ボクを突き動かすほどの魅力がある曲だったということです。歌うために、何度も英語の歌詞カードを見て覚え、自分で辞書を片手に歌詞を理解しようとしましたが、さっぱり意味がわからなかったなぁ。そりゃそうだ。ドラッグ・ソングなんだもん(笑)

というわけで、一番好きなのは「ウィリン」が収録された「セイリン・シューズ」ではあるんですが、バンドとしてのまとまりとテンションの高さで「ディキシー・チキン」が代表作というのに異論はないです。やっぱり今でも、これはロックの名盤!