アース・ウィンド&ファイアーならぬアース&ファイアーです。オランダのグループで、これは1971年に発表されたファースト・アルバム。「シーズン」という曲が当時我が日本でもヒットしているらしく、同じくオランダ出身のショッキング・ブルーの「ヴィーナス」と並んで中古シングル盤の常連アイテムになっています。


ところで、このファーストの再発CDはちょっとすごい。イエスのジャケットでおなじみのロジャー・ディーンによるイラストなんですが、このオレンジの部分がくりぬきになっている変形ジャケをご丁寧に復刻しているのです。これがなかなか美しい。紙ジャケの難易度ではソフト・マシーンのファーストやレッド・ツェッペリンの「Ⅲ」と並んでかなりのもの。ストレンジ・デイズの紙ジャケCDシリーズは、LP時代のレーベル面の再現度も含めて丁寧な仕事をしてくれる良心的なレーベルです。


ボクの知る限り、オランダのグループというのは、とにかくホットです。ギターのリフはハード・ロックの影響もありますし、そこにハモンド・オルガンなどもからんでくるとディープ・パープル的なアンサンブルにも近い感じになります。でもやり過ぎないところがいいですね。ボーカルが女性だからでしょうか。


個人的にはセカンドの「アムステルダムの少年兵」('72)が叙情的なプログレ路線で今も昔も大愛聴盤なのですが「あまりプログレしているのはどうも・・・」という人には、このファーストをオススメします。ある世代にとっては、とても懐かしく胸が熱くなる1枚であることはまちがいありません。