progressive

「フィンランドのイエス」とか「フィンランドの10cc」とか言われることが多いウィグワム。確かに曲の展開は異常に凝っていますが、大げさに盛り上がる部分はありません。どこか飄々としたユーモアセンスで淡々と次々に曲が短い展開で進んでいくこの感じは、…

再発されるまで馴染みのないアルバムでしたが、これが日本で70年代にオカルト映画ブームの最中に公開されたイタリア映画「ザ・ショック」のサントラを担当していたイ・リブラのファースト・アルバム。そのサントラは古くから日本盤LPで所有してたのですが、…

THE SEVENTH DAWNは、1976年に「SUNRISE」という自主制作盤を発表したアメリカのフォーク・グループ。メンバーは当時大学生で在学中に200枚ほどプレスした自主制作盤がオリジナル。それが近年発掘され再発されたわけです。この「DREAMS」は未発表に終わった1…

未発表ライブが山のように出ているソフトマシーン。確かにこのバンドの場合、スタジオ盤だけ聴いて追っているとアルバムごとにメンバーも音楽性がダイレクトに変化しすぎるため混乱してしまうのです。当時のライブを収録したアルバムを年代順に聴くと音楽の…

エクトル・ザズーとジェゼフ・ラカイユの2人組による、ユーモラスなチェンバー・ロック・グループ。といいつつ、ロックのようなドラムとベースが賑やかに入る曲はありません。フランスということもあって、エリック・サティを連想させたりもしますが、時に…

「ムード音楽」という言葉では、別な音楽をイメージされてしまいますが、結局のところタンジェリン・ドリームが目指していたところは、それ。メロディとかリズムが仮にあるとしても、ムードこそがすべての最終目標。初期のプリミティブな即興サウンドからシ…

日本でも人気があるイタリアン・プログレッシヴ・ロック。中でもクエラ・ヴェッキア・ロカンダは、個人的に大好きなバンドのひとつ。たった2枚のアルバムを残し、その後、消息不明のようになってしまったのも「幻」っぽいイメージに貢献してるのか、なにや…

「叙情と技巧が鳴り渡る時」とかショボい邦題で再発CDも出たアルバムですが、悲しいかな実際その通りの内容。いわゆるフランスのジャズ・ロック系インストゥルメンタルの(かなり)マイナーなバンド。しかし、それで終わらないのが曲の良さ。テクニック至…

ゴング、結成40周年記念盤でもある最新モード。それでいて、驚くほど変わっていない。確かにラップなんかで新境地を開拓しているようにも聴こえますが、もともとデヴィッド・アレンのルーツはビートニク。ポエトリー・リーディング的な部分は昔からやって…

クラシックの室内楽で盛り上がったりする場面において、「あぁ、ここでドラムが入ったら最高なのに」とか思ってしまうのは邪道だとしても、そういう欲望を抑えられなくなったようなジャンルに「チェンバー・ロック」というものがあります。今回紹介するベル…

ロバート・ワイアットの歌声には、何か独特の周波数が混じっているかのような、不思議な響きがあります。その「響き」は、不思議な哀愁と慈悲に満ちて、まるで山奥にいる仙人からの教えを聴くかのように、ボクはスピーカーに向かうのです。 「ロック・ボトム…

もちろんP-MODELは昔から大好きなバンドだったので、その前身がプログレバンドだということも知っていました。しかし音を聴く前の勝手な想像で、当時レコードにならなかったのは、演奏や楽曲がまだ未熟でクオリティが低かったからだろう思ってました。が、と…

こういうアルバムばっかり取り上げていくと、ますます読者の方が離れていきそうな気がしてならないのですが、こう見えて自分はハードロック少年でした。確かこのレインボーのアルバムも小学生ぐらいの時に買って死ぬほどリピートしてたんですよねぇ。何とい…

パスクアーレ・ミニエーリ&ジョルジオ・ヴィヴァルディという覚えにくく舌をかみそうなアーティスト表記で日本盤CDが出ましたが、タイトルのカルナシャリアという名前こそがバンド名として、プログレマニアには古くから話が通ってます。マウロ・パガーニ…

タンジェリン・ドリームといえば、圧倒的に70年代初期の作品に思い入れがあります。ヴァージン移籍後の「フェードラ」や「ルビコン」あたりの浮遊感あふれる静寂なシンセ・ミュージックが有名ですが、オルガン、フルート、ギター、ノイズが混沌と抽象的な…

そもそもイタリアのプログレというのは洗練とは程遠い野暮ったさのようなものに魅力を感じるか非かで、まるで評価が変わってしまうものですが、その究極がこのオザンナというバンド。ナポリの陽気に頭をヤラれたとしかいいようがない奇抜なメイクと衣装(し…

クラウディオ・バリオーニ、RCA時代の傑作。次々と多彩な曲調が目まぐるしく展開して行く様はそれまで同様ながら、よりシンフォニックに、より明確に、音もすっきりとまとまっています。とはいえ、相変わらずアレンジのスケールの大きさが圧巻で、ここぞ…

クラウディオ・バリオーニは、70年代初頭にサンレモ音楽祭などで日本にも紹介されたカンタウトーレながら、あまり美声の持ち主とも言いがたいので、ほとんど忘れられてしまったようです。しかし、本国イタリアではカルト的な地位を確立したベテランの歌手…

イ・プーは芸歴が長いだけでなく、アイドルとして出発して、ずっと第一線で活動してきた、イタリア本国では大変に有名なバンド。日本では70年代前期のクラシカルな作風からプログレの範疇で語られてますが、基本的には素朴な歌モノでカンタウトーレと呼び…

黄色い便器のジャケは、なんと蓋が開く仕様になった変形ジャケ。開けたらウンコでも出てくるかと思いきや、高層ビルを目の前にキーボード弾くご本人、フンカ・ムンカの勇姿が。さらにビルの頂上は、日本家屋のようなイラストもあり、この理解不能度120%…

ピーター・ブレグヴァドのソロは、元スラップ・ハッピーの人というだけで、プログレのファン以外には、あまり聴かれていないのが現状ですが、この人のユニークな才能は、もっと多くのロックファンが注目すべき。この人の本質はシンガー・ソングライターで、…

「ギズモ・ファンタジア」という邦題も優秀なゴドレイ&クレームの(アナログ盤では)3枚組の超大作。ギター・アタッチメント、ギズモの開発と研究の成果を思う存分発揮した作品、といえば聴こえはいいけど、ほとんどポップスの枠をはみだした「やりすぎ感…

事故により車椅子状態になってしまったロバート・ワイアットの一夜限りのカムバック・コンサートとなった74年9月8日のステージをまるまる収録した伝説のライブのCD化。今までファンの間では断片的だったり音質が損なわれたブートレグで熱心に聴かれて…

スイスで録音されたというヘンリー・カウの最終スタジオ作品。カンタベリー系でも、もっとも硬派なグループですが、クリス・カトラーのゴミ箱でも叩いているようなドラムはもちろん、これ以上はないくらい複雑怪奇に懲りまくった楽曲群が、とにかく圧巻。フ…

デヴィッド・アレン脱退後のゴングなんて・・・と、持っているのに、あえて積極的に聴こうとしなかった自分に反省。別バンドと割り切って楽しんでしまえば、これほど気持ちいいプログレ/フュージョン作はありません。なおかつオリエンタルな要素のミニマル…

かつて「ポップになりすぎた」と批判を浴びていた本作ですが、今では後期の傑作とまでいわれてます。が、あくまでプログレ・ファンの間だけの話。ジェントル・ジャイアントがロック・ファンの間で今ひとつ不人気なのは、今も昔も変わりませんけどね。もし「…

冒頭、せせこましいピアノと、右へ左へと振れまくるムチャクチャなパンニングに「何じゃこりゃ」と呆れるものの、そこを通過すれば、そこはイタリアン・プログレッシヴ・ロックの至福の世界。B級だ、地味だという意見もありますが、ツイン・キーボードなの…

巨大なシンセの機材の山に囲まれながら作り出される70年代初頭ぐらいまでの電子音楽。その音楽家は、必ずといっていいほど、どこか実験室にこもって研究を続ける科学者のようなシリアスな雰囲気がありました。ジャーマン・シンセサイザー奏者の重鎮、クラ…

「音の悪いライブ盤だから内容も悪い」とは限らないわけです。たとえばキング・クリムゾンに「アースバウンド」('72)という客席からカセットで録音したようなヒドイ音質の海賊盤まがいのライブ盤。それが何故か昔から大好きでした。音が不鮮明なのが、逆に「…

メンバーの名前の頭文字で、SFF。おまけにキーボード・トリオということでELPを連想するわけなんですが、全編歌なしのインストのせいでしょうか、ELPより、もっと硬派な印象があります。こちらはスイスのバンドなんですが、同郷のバンド、アイラン…