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エクトル・ザズーとジェゼフ・ラカイユの2人組による、ユーモラスなチェンバー・ロック・グループ。といいつつ、ロックのようなドラムとベースが賑やかに入る曲はありません。フランスということもあって、エリック・サティを連想させたりもしますが、時に飛び出す不協和音が甘い流れを遮ったりも。
古いフランス映画を観ていると、ミステリアスな雰囲気を演出する場面展開のBGMで、奇妙で短い現代音楽っぽい曲が流れたりしますが、そういう起承転結の「転」だけを宙ぶらりんなまま進行していくような曲の構成がとにかく面白いです。相当人を食った音楽ではあるのに、攻撃的ではありません。毒のあるオシャレっぷり。
エレピとピアノが、どちらによりそうわけでもなく、ただただお互い不思議なコードをならし続けるだけの曲とか、すき間だらけのサウンドが実に心地よい。何故か過剰に音を詰め込んだポップソングに耳が疲れたときの「箸休め」的な一枚として、これ以上最適な音楽はないかも。刺激的なのにリラックスできます。