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クラウディオ・バリオーニは、70年代初頭にサンレモ音楽祭などで日本にも紹介されたカンタウトーレながら、あまり美声の持ち主とも言いがたいので、ほとんど忘れられてしまったようです。しかし、本国イタリアではカルト的な地位を確立したベテランの歌手で、70年代のアルバムは、どのアルバムも完成度が高い。
これはRCA時代の4枚目のアルバムですが、おそらくアビーロードのB面やイエスなどに影響を受けたと思われる、これでもかと連続していくメドレー形式のトータルアルバムで、ストリングスやらコーラスやら、今の音楽業界だったら「金がかかりすぎる」という理由でボツになりそうなアレンジの大盤振る舞いが楽しいです。
この時代ならではのイタリアの、すべての音がグチャっと詰まったようなスピーカーを隅から隅までジリジリと支配していくようなサウンドの音圧も、かえって時代が一巡りして新しいのではないでしょうか。彼の初期のLPは、豪華な4面開き仕様が多く、こういうのも含めて「音楽」だった時代が素直に羨ましいです。