デヴィッド・アレン脱退後のゴングなんて・・・と、持っているのに、あえて積極的に聴こうとしなかった自分に反省。別バンドと割り切って楽しんでしまえば、これほど気持ちいいプログレフュージョン作はありません。なおかつオリエンタルな要素のミニマルなパーカッションのアンサンブルなど、独自性もちゃんとあります。


全編に渡って、ドラマーのピエール・ムーランの才気が爆発していて、リズムがより細かくなって、ニュアンスが豊かになっているにもかかわらず、ただテンションが高いだけではなく、どこか穏やかで、心落ち着かせるようなムードもあります。結果的に、やはりソフトマシーンあたりに近いものが。


この後、さらに高度なフュージョン化を辿るピエール主体のゴングですが、このアルバムは、どこかアレンがいた頃の自由気ままで、とっちらかった部分もあり、そのある種の未完成な部分に、逆に多くの可能性を感じます。ボーとしながら気持ちよく聴き流せるこんなプログレって、ありそうでなかなかないんですよね、実は。