ボクが高校生の終わりくらいの頃かな。マーキーというプログレ雑誌が別冊で発売した「ブリティッシュ・ロック集成」という分厚いカタログ本がありました。キレイなジャケットの英国盤がカラーで紹介されていたその本は、取り上げているアルバムが当時は廃盤だったものばかり。で、それを読みながら「いつか聴いたなぁ」と、そのアルバム・レビューを何度も読み返しチェックしていくのが好きでしたっけ。冷静に考えると、オタク特有の暗い青春だなぁ(・・・って、今でもあんまりやってること全然変わりませんが)


そこで紹介されていて、当時から一番気になっていたアルバムが今回紹介するメロウキャンドルというバンド。デラムから「抱擁の歌(Swadding Songs)」('72)というたった一枚のアルバムを残した、いわゆる幻のグループです。幻ってくらいですから当然売れなかったわけですが、内容の素晴らしさが英国ロック・ファン、特にプログレ/フォーク好きにウケたのか、オリジナル盤が、それこそ数十万円という信じられない値段で取引されていた時期もあったようです(今でも高いらしけど)。「泣かせのメロディー」「澄み切った女性ボーカル」「美しいピアノの旋律」「哀愁に満ちたサウンド」などと、何ともそそられる言葉オンパレードでレビューされていて、まさに聴きたい度数100%に・・・。


と、まさにその頃、抜群のタイミングで新宿のプログレ専門店UKエジソンが復刻CD化してくれたのです(90年頃)うれしかったなぁ。サウンドは正直思ったよりもポップ。あとデビューが10年遅れていたらコクトー・ツインズみたいなフィーメール系NWバンドになっていたかもしれませんし、さらに10年遅れたらPUFFYみたいになっていたかも(ウソ)。ところでこのバンド、いつも「UKフォーク」みたいに紹介されてますが、あんまりフォークっぽくはないような。むしろ「女性版ジェスロ・タル」という感じ。結構ノリノリのサウンド。ノリノリっ言葉も誤解を招きそうですが(笑)