ボクは長い間The Love Cycleの「Forever Amber」というアルバムかと思っていたのですが、実際はForever Amberの「The Love Clycle」('69)というアルバムのようです。しかし、どっちがタイトルで、どっちがグループ名なのか、そんなことどうでもよくなるくらいになるほどアングラな世界がプライヴェート・プレスの恐ろしさというもの。どこの誰かもわからないレコードが、友人だけに配られたかのような100枚以下という極端に少ないプレス枚数で必ず存在する世界。ハッキリいって99パーセントがクズだとわかっていても、残り1パーセントのお宝にディーラーもマニアも大騒ぎするわけです。


このForever Amberも、日本で持ってるのはただ1人だの、相場価格は40万を越えるだの(ヒドすぎる)いろいろと大騒ぎされていた英国のロック・アルバム。ボクは場外の野次馬のごとく「何だかなぁ」と思いつつも興味津々。そしたらあっさり海外でCD化されていました。誰が買うのよコレ?と思いつつ「あ、ボクか」と思いつい購入(何だそれ)。全然レビューになってないけど、まぁ、そんな感じで買ってしまうような、どうでもいいマイナーなアルバムというのもあるんです。もはやこういうのは、買ったことに意義があるんで、最初から内容はハズレでもいいと覚悟しているわけですから、気が楽です。


内容はヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファーストのポップな部分を強調したかのような音質モコモコのメロディアスなガレージ・ポップでした。どう考えてもB級、いやC級といってもいい安いプロダクションなサウンドですが、妙にメロディアスでヘロヘロした歌いっぷりがツボです。なるほど、これはたしかにスキものを喜ばせる要素は充分にあるサウンドですね。ジャケの安い感じとか逆に最高ですし。ポップだなぁと思ってると、突然サイケなギターがギュイーンと唸りをあげたりと、この中途半端でどっちつかずのフラフラした感覚は、ナゲッツあたりのガレージ・ロックに慣れてないリスナーにはキツイかもしれませんけど。