psyche

以前、ボブ・トリンブルのセカンド「ハーヴェスト・オブ・ドリームス」を取り上げましたが、このファーストも信じがたいほど美しい音楽。これはニューウェイブ時代のサイケ・リバイバルではありません。アメリカの深い闇の向こうで密かにずっと生き残ってし…

トラフィック・サウンド同様、こちらも南米ペルーの怪しげなサイケバンド。これがプログレ/ハード好きの間で話題になったタルカス(TARKUS)の前身バンドだったとは驚きの事実。ソフト・ロックみたいに紹介されてたりもしますが、アソシエイションみたいなも…

1966年に全米11位のヒットを記録したスタンデルズの「Dirty Water」。いわゆる当時のストーンズに代表される60年代ブリティッシュ・インヴェンションに影響されたシンプルながらクセになる曲ですが、地元ボストンの野球チーム「レッド・ソックス」の…

サーカスというと思い出すのはフェリーニの映像のような退廃的で艶やかなムード。カラフルな衣装はサイケ時代にもフィットしていたけれど、主役のストーンズは、南部路線に向かいつつある意外に泥臭い演奏。ブライアン・ジョーンズ脱退前の微妙な時期。 19…

70年代サーフィン・ミュージックといわれても、音楽としてどういうものかというのも、まったく想像できなかったのですが、このジャンルはサーファーがお気に入りの音楽を波乗りの映像にあわせて流してしまえば、それが「サーフ音楽」になってしまうという…

ボブ・トリンブルの2枚のアルバムは、サイケ/アシッド・フォークの名盤として今となっては定番化しつつありますが、数年前、サイケ系のガイド・ブックで紹介されていたのを見たときは、いささか奇妙な感じがしました。なにしろ80年代のアルバムなのです…

オープニングのマリンバとスネアのユニゾンによる「アンクル・ミートのテーマ」は鳥肌もの。一瞬で終わってしまうのがもったいなんですが、このテーマ曲のメロディは、その後も断片的にアルバムのいたるところに散りばめられています。上手い。好き勝手にや…

ワーナー系サイケ・ポップの24曲入りの編集盤。シングルだけで終わったグレート・アンノウンなバンドから、アソシエイション、モンキーズといった有名どころまでいろいろですが、全体的な音の統一感は、さすがRHINO。目指したサイケよりも、「結果的…

ブルー・チアーといえば「爆音」。まだ音も聴いてない頃にボクが知りえた情報はといえば、マーシャルアンプを何台も積み上げる「世界一、音のデカイバンド」だとか、音楽評論家の間章氏が、リー・スティーブンスを「最もアナーキーがギタリスト」と評した、…

まだCDがそれほど普及していない頃、EDSELというレーベルの再発盤LPには、ずいぶんとお世話になったものです。思えばヴァン・ダイク・パークスの「ソング・サイクル」も、初めて買ったのはEDSELの輸入盤LPでした。そういう世代です。という…

とっても今さらですが、最近になって、このヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ('67)の「デラックス・エディション」を買いました。目玉はディスク2のモノ・ヴァージョン。劇的な変化はないものの、このバンドも持つ妖しげな「匂い」みたいなものが充…

70年代初頭に流行し、その後ポルポト政権によって弾圧されてしまう「カンボジア・ロック」を、現代に再現するというとんでもないコンセプトで結成されたLAのバンド。マイナーメロディを主体にしたクメール調の歌謡曲っぽいサウンドは、無国籍かつ時代感…

マイケル・ジャクソンが死亡した2009年6月25日の同じ日に、シーズのスカイ・サクソンも亡くなっていたようです。こちらの方は、悲しいくらいに話題になりませんでしたが。というか、むしろまだ生きていたということにもビックリです。近年は復活して…

このアルバムが、米(Amazon.com)が選ぶ「ベスト・インディー・ロック100」の3位に選ばれているのを観て、驚いてしまいました。こんなマイナーなアルバムを発売以来、愛聴していたのは、自分だけだと思い込んでいたので。当時、情報もわからず、ただジ…

ギターはノイジーに歪みまくっているけど、その弾き方は、まるで初めて一つのコードを憶えて得意げになってる子供のようにジャカジャカとストロークするだけ。ベースは、リズムを支えようという概念がまるでなく、憶えていないその曲のベースラインを必死に…

13といえばゴルゴ13じゃなくてヤホワ13(YAHOWHA13)なわけです。またしても取り上げます。カルト教団よろしく、ジャケットに写る全裸の教祖様ファーザー・ヨッドは、まるでオウム麻原の如し。脇には、これまた全裸の女性二人をはべらかして…

教組がロック好きで、教典がレコードだったというカルト教団「ヤホワ13」のボックスセットは、いつも聴くたびに知恵と勇気が沸いてきます。これらの教典レコードを初めて聴いた時の衝撃は、ブラジルのホラー映画王、コフィン・ジョーのDVDボックスを初…

エクレクションはフォザリンゲイからフェアポート・コンヴェンションへと渡り歩いたトレヴァー・ルーカスが在籍していた60年代後半の英国のバンド。といってもトレヴァーは曲を書いてるわけでもない。全体的にはママス&パパスやジェファーソン・エアプレ…

今となっては信じられない話なんですが、ボクが偶然フランク・ザッパという存在を知った中学生の頃(80年代半ば)は、ザッパの数々のアルバムはことごとく廃盤で、60年代マザーズ時代の音を聴くなんて、あの頃の中学生じゃ夢の夢だったのです。何しろ「…

モンキーズの同名映画のサントラ盤('68)。日本では「HEAD!恋の合言葉」なってアイドルチックな邦題がつけられていましたが、映画そのものはサイケ時代らしくシュール極まりない内容で、はるか昔に一度観たことがありますが、フランク・ザッパが登場するシー…

Golden Dawnってバンド名からして、いかにもですが、タイトルもコレで、ジャケもコレだもんなぁ。みんなでトリップしようぜというわけですか。下の方にニョキニョキ生えてるキノコもカワイイような怪しいような。サイケファンには有名な盤('68)なんですけ…

前に紹介したカナダのサイケバンド、Reign Ghostの後身グループが、このChristmas。何とも形容しがたい変テコなイラストに包まれたこの1st('71)(写真)と、他にも2ndとライブ盤が出ています。後にSpilit of Christmasと改名。そちらはプログレ色が濃いですけ…

どんな理由であれ、手書きのジャケットというものはいいもんです。それが印刷されたものであるにもかかわらず、まるで一枚一枚メンバーが一生懸命リスナーのために書いてくれたようで。このThe Flow('72)のジャケもそう。こんないいかげんなジャケは、なかな…

シャングリラスにも通じる不良っぽさをガレージ・バンドに置き換えたような60'sガール・グループが、このThe Luv'd Ones。4人のルックスもキュートで魅力的ながら、何と言っても目つきがいい。「ヘタクソなんて言わせないわ」「本物のロックン・ロールを…

恐ろしいほど粘着質のあるボーカルの声の力にまず圧倒。Mad Riverのファーストは個人的にUSサイケのベスト10に入れてもいいくらい懲りまくった展開が素晴らしいアシッド・ロックでした。で、こちらはセカンド('69)。まるでジョン・フェイヒーを思わせる…

シカゴにも一時在籍していたボーカリスト、ビル・チャップリンが昔結成したサンフランシスコの人気バンド、The Sons Of Champlinのファースト('69)。シカゴとはブラス・ロックつながりだったのか、このサンズでもホーン隊の音が印象的ですが、曲も展開も凝っ…

JKといってもジャミロクワイの人じゃなくて、タートルズで有名なレーベル、ホワイト・ホエールから発表された謎のサイケ・バンド、J.K.&Co.のJay Kayeさん。その唯一のアルバムがコレ('68)。といってもよくわからないのですが、LA育ちの天才子役ミ…

クリサリス(Chrysalis)なるバンドの唯一の作品('68)。NY出身でレーベルがMGM。さらにリーダーのJ・スパイダー・バーバー(怪しい名前ですね)がフランク・ザッパと交流もあったとかで。そういえば60年代マザーズも、いちおうヴァーヴ/MGMあたりと…

「でっかい目玉ジャケ」で有名なThe Freak Sceneの前身にあたるのが、このThe Deep('67)。ペナペナしたローカルな録音、焦点の定まらないアンサンブル、唐突で意味不明なSEなど、世間一般的には「負」の要素満載の文字通りディープなサイケなんですが、実…

最近気になる再発レーベルFalloutから、Stone Circusなるバンドの作品('69)。まぁ、ジャケの感じからサイケデリック系であることは想像できましたが、オープニングがいきなりボサノバなんでビックリ。演奏はガレージっぽいゴツゴツしたバンドサウンド中心な…