サーカスというと思い出すのはフェリーニの映像のような退廃的で艶やかなムード。カラフルな衣装はサイケ時代にもフィットしていたけれど、主役のストーンズは、南部路線に向かいつつある意外に泥臭い演奏。ブライアン・ジョーンズ脱退前の微妙な時期。


1968年暮れに収録され放送される予定だったテレビ用の未発表映像。ストーンズ以外のバンドも見逃せない。ジェスロ・タルはイアンの奇抜なルックスもサーカス的。黒人のタジ・マハールは、ジェシエド・デイヴィスの粘っこいギターが強力。


マリアンヌ・フェイスフルはCDよりDVD向き。ジョン・レノンとクラプトンの競演は演奏グチャグチャだけど、番組的にはスペシャルか。ここで最高の演奏を聴かせたのはザ・フー。ロックの歴史において、この4人は世界遺産級のメンバーだったと再認識。