エクレクションはフォザリンゲイからフェアポート・コンヴェンションへと渡り歩いたトレヴァー・ルーカスが在籍していた60年代後半の英国のバンド。といってもトレヴァーは曲を書いてるわけでもない。全体的にはママス&パパスやジェファーソン・エアプレインを思わせる、いかにも時代らしいポップなフォーク・ロック。


特に音に特徴があるわけでもなく、成功しなかったのも頷けるローカルなB級バンド。本人たちの意思とは無関係に、やたらクラシカルなストリングスが全体を覆っています。普通に地味なフォーク・ロックでもやってればよかったのに、アルバム中盤など無理やり凝った曲を作っているような気も。


と、まぁ人にオススメできるほどの盤でもないけど、個人的には好きなタイプの音。音楽的な野心が空回りした時の前崩れ感に、いかにも若いバンドらしい「青春」が見え隠れします。そういう意味で、なかなかドラマチックな瞬間もあり見過ごせない一枚なのかも。変なマネキンならべたジャケは、ちょっと怖いけど。