UKフォークのプライベート・プレスLPの中でも、内容、希少性ともに人気が高いのが、このスコットランド出身のキャドモン(Caedmon)の唯一のアルバム('78)。ボクはずっと「カエデモン」だと思っていて、その方がドラえもんみたいで親しみやすかったんだけど、イアン・サウスワースのブリティッシュ・ロック本で、キャドモンと表記されてました。正しい表記とはいえ、なんだか寂しいなぁ。


で、肝心の内容は、いわゆるクリスチャン系のフォーク・ミュージックながらジーザス、ジーザスしたところもさほどなく、さらに曲展開が適度にプログレッシヴだったりと、なかなか凝っていて、ペンタングルやメロウキャンドルあたりが好きな人なら、1発でOKでしょう。ドラムレスというのも、なかなかミスティックな雰囲気に一役買っていますし、チェロやマンドリンのアンサンブル、さらには女性ボーカルと、お約束ながら、人気が高いのもうなずけるサウンド


曲によってはボサノヴァっぽかったり、あるいはエレン・マクルウェインみたいなフォーキー・ソウル風味な曲もあって、純粋な英国フォークのファンは眉をひそめるかもしれませんが、それもまた、このグループらしい自由な雰囲気があって、ボクは好きです。オリジナル盤LPを探すのは化石の発掘よりも困難を極めるでしょうが、kissinng spellからの再発CDにはアルバム未収のシングル盤の曲も入っていて、なかなかお買い得。こちらは探せばすぐに見つかると思います。